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Everyday is the best day of the year ;) と思うことにしよう。うん。

英文メールの書き方を教えて感じたこと

英語をどのようなビジネスシーンで使っているのか、を問う調査では、たいてい第一位に「メール」がきます(たとえば下のような調査結果)。

実際にどのようなビジネスシーンで使用しているかについては、「メール」が最も多く83.9%、続いて「翻訳・文書作成」58.7%、「社内の打合せ(コミュニケーション)」40.4%、「商談」23.4%となっています。

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私自身はいわゆるビジネスパーソンではありませんが、それでも英語をよく使うのは「メール」です。そういうこともあって、学生には英文メールの書き方や形式をきちんと教えたいなと以前から思っていたのですが、残念なことに、なかなかライティングの授業を担当することがないので、今年度、思い切って「英語eラーニング」という授業で教えてみることにしました。(この授業では、Moodleというシステムを利用しているので、ライティングの作業をウェブ上で行えば、擬似的な英文メール使用状況を作り出せるのではないかと思ったわけです。)

テキストは、金星堂の2013年新刊、Write Me Back Soon! Communication through Emailを使いました。このテキストでは、はじめにModel Emailが提示されていて、Words & Phrases, Comprehensionを解くようになっています。軽い読解問題を解いた後、頻繁に使用される重要表現(3~10個)がKey Expressions 1, 2として示されています。Key Expressions 1の後には空所補充問題、Key Expressions 2の後には和文英訳問題があり、学習者が学んだばかりのKey Expressionsを使って問題を解けるようになっています。最後のLet's Write!という項目では、リスニングで答え合わせをすることのできる和文英訳問題と、自分で実際にメールを書いてみる問題It's Your Turnになっています。

さて、このテキストを使って英文メールを教え始めてからしばらくして、私は学生のある傾向に気づきました。なかでも特に気になったのが「用件さえ書けばいい」という姿勢でした。学生にしてみたら、与えられた条件をクリアしているような英文が書ければ問題ないじゃないか、と思うんでしょうが、私としては添削するたびに「味気のない」メールを読んで、残念な気持ちになりました。

「メールの相手は人間なんだから、もらって心地の良いメールを書こうね」

と繰り返し言い、メールを書くときにはまず「相手との人間関係」をよく考え、「思いやりのあるメール」を書くことを心がけるよう指導しました。当たり前のことと言えば当たり前のことだし、こんなことを1年間もかける必要ないのかもしれないけれど、実際にはまるでできていなかったので徹底させたわけです。返信メールの出だしには「メールをくれたことへのお礼」を必ず添えること、最後も、用件を伝える文だけでブチッと切り上げてしまうのではなく、返信が必要ならI look forward to hearing from you. 返信が必要でなくても、Thanks again for your...や結びの言葉としてMany thanks, などと必ず一言を添えるよう指導しました。

半期が終わる頃は、まだまだ用件だけで終わってしまうメールが多かったのですが、その後は次第に心のこもったメールに返信、いえ、変身していきました。

ビジネスに心のこもったメールなんて要らないのでは?御礼や思いやりを徹底させるなんて、日本人的なのでは?などというご意見もあるかもしれませんが、人間関係のないビジネスはまずないですし、思いやりのないメールよりもあるメールのほうが嬉しいのは日本人だけではない、というのが私の個人的な意見です。

というわけで、「英語eラーニング」の授業は後期試験をもって本日終了。学生のどの解答を見ても、お礼や思いやりがきちんと含まれていて、指導してよかったなぁと感じています。肝心な「用件」が書けていない解答にはガッカリだけれど(苦笑)。

なお、英文メールの書き方については、日向清人先生のビジネス英語雑記帳や亀田尚己先生の記事などがとても参考になりました。

 

英文メールと社内メモ入門

http://eng.alc.co.jp/newsbiz/hinata/2012/07/post_880.html

 

異文化コミュニケーションと英文ビジネス文メールを考える

http://m.searchina.ne.jp/news/disp.cgi?y=2013&d=0903&f=column_0903_004.shtml